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微分方程式2つ

2つの解き方の一連の流れを備忘録として書いておきます。高校物理でも『漆原晃の物理解法研究』ではまさにこの2つの微分方程式が紹介されています。

 

・速さに比例する抵抗力を受ける雨滴の落下

 m\frac{dv}{dt}=mg-bv

 m\frac{dv}{dt}=-b(v-\frac{mg}{b})

 V=v-\frac{mg}{b}とおくと

 \frac{dV}{dt}=\frac{dv}{dt}より

 \frac{dV}{dt}=-\frac{bV}{m}

この一般解は V(t)=A\exp(-\frac{bt}{m})

( A: 初期条件により決まる任意定数)

よって v(t)=A\exp(-\frac{bt}{m})+\frac{mg}{b}

 

・天井に吊るされたばねに付いたおもりの振動

 m\frac{d^2x}{dt^2}=mg-kx

(定数係数の2階線形微分方程式)

なお、つり合いの位置を x=x_0とすると mg=kx_0

 \therefore x_0=\frac{mg}{k}

最初に立てた式に X=x-\frac{mg}{k}を代入して

 m\frac{d^2x}{dt^2}=-kX*1

 \frac{d^2X}{dt^2}=\frac{d^2x}{dt^2}より

 m\frac{d^2X}{dt^2}=-kX

 \frac{d^2X}{dt^2}=-\frac{kX}{m}

 ω^2=\frac{k}{m}>0とする

 \frac{d^2X}{dt^2}=-ω^2X

 X=e^{λt}と仮定して代入して

 λ^{2}e^{λt}=-ω^{2}e^{λt}

 (λ^{2}+ω^{2})e^{λt}=0

 e^{λt}>0より λ^{2}=-ω^{2}

 λ=±iω

 X(t)=e^{iwt}, e^{-iwt}運動方程式の解

 X(t)=C_1\exp(iwt)+C_2\exp(-iwt) ( C_1, C_2は任意定数)

オイラーの公式より

 X(t)=C_1(\cosωt+i\sinωt)+C_2(\cosωt-i\sinωt)\\=(C_1+C_2)\cosωt+i(C_1-C_2)\sinωt

 A=C_1+C_2, B=i(C_1-C_2)として

 X(t)=A\cosωt+B\sinωt

 x(t)=\frac{mg}{k}+A\cosωt+B\sinωt

 

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*1:剛体振り子の回転運動の方程式もこの式の形であり非常によく見る式の形である。