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オイラーの多面体定理はいつ使うの?Part1

オイラーの多面体定理】
凸多面体*1で,辺(edge)の数を e, 頂点(vertex)の数を v, 面(face)の数を fとすると, v-e+f=2が成立する。

「線は帳面に引け」で覚えるこの定理は,コラム的に事実だけ紹介されるという印象が強く,証明法の他,使いどきはあるのか?と気になります。

当然,正多面体の頂点や辺の数を求める際に使えそうですが,結局どちらかを求める際に使うやり方(面を切り離す)でどちらも求められるので,使いようがありません。なお,面の数は,正二十面体なら20個とすぐに求まりますよね。

【正多面体の頂点・辺の数え方】

面を全て切り離す。

⇒その状態で,頂点や辺の数がいくつあるか数える。
12個の正五角形から構成される正十二面体なら,頂点も辺も,正五角形1つあたり5個で正五角形が12個あるから,60個。

⇒面をまた接着させたとき,頂点や辺がいくつダブるか,その数で割る。
正十二面体なら,頂点に関して,切り離されていた正五角形同士の3つの頂点が1つに合体されるので,先程求めた60を3で割り,20個。辺に関して,正五角形の2つの辺が1つに合体されるので,先程求めた60を2で割り,30個。

正十二面体は,面が12個,頂点が20個,辺が30個であると数えられました。オイラーの多面体定理を満たしています。

さて,ここで本題に戻って,オイラーの多面体定理の使い道ですが,正多面体に関して,仲間はずれとも言えた面の数を数える際に武器になります。オイラーの多面体定理が証明された後,正多面体が5種類しかないことを示す高校数学の教科書の証明で,使うのです。

*1:多面体のうち,どの2頂点を結んだ線分も多面体内に含まれるもの