各導体が導体たる理由を結晶構造から
「導体」と「金属」は同じまとまりではなく、鉛筆の芯である黒鉛などは非金属であっても導体であり、それぞれどの電子が動くのか?は結晶構造から捉える意義がある。
①金属
原子のイオン化エネルギーが小さいため、価電子が原子から離れやすく、各原子の最外電子殻が重なり合って繋がり、価電子が自由に移動できる。金属の性質である、金属光沢と展性・延性すらもこの電子(自由電子)の存在から説明することができる。
金属の3性質
・金属がもつ自由電子は可視光線のほとんどを反射するので光っている。
・自由電子が熱や電気を運ぶ。
熱伝導性と電気伝導性のランキングは同じ!
・自由電子が動きながら原子を結び付けているため、結合がすべての方向に一様に働き、たたいたら広がり、引っ張ると延びる。
なお、金属結晶の単位格子の形状は3種類ある。(体心立方格子、面心立方格子、六方最密構造)
②黒鉛(グラファイト)
正六角形を基本とする網目上の構造がファンデルワールス力により結ばれて積み重なっている。炭素原子の価電子4個のうち1個は結合に使われず、このため電気を通す。光沢ももつ。
学習点
・金属原子のイオン化エネルギーは何故小さいのか。
参考
外嶋直樹, 瀬川浩司(2012)『理解しやすい化学』, 文英堂