ジュールの法則の導出⇒電力⇒電力量
断面積, 長さの導線の両端にの電圧をかける。自由電子が平均の速さで移動したとすれば,間の電子の平均移動距離はである。導体内の電場の強さは
であるから,離れた2点間の電位差は
電子の電荷をとすると,間に電子が電場から得られるエネルギーは,
導体中の自由電子の密度をとすると,導線中の自由電子の総数はである。このすべての自由電子が上式のエネルギーを電場から得る。それをとすると
これがすべて導線中のイオンの熱振動に変換されるからジュール熱*1に等しい。
ジュールの法則から,単位時間に電気器具によって消費される電気エネルギー・電力=電流×電圧が導かれ,その総量という意味で電力量=電力×時間が導かれるという体系になっている。
参考
近角聰信, 三浦登(2013)『理解しやすい物理』, 文英堂
*1:導体に電流が流れると発生する熱