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単鉄筋矩形断面,複鉄筋矩形断面の曲げ耐力・設計曲げ耐力

鉄筋コンクリート工学_5_4.pdf
鉄筋コンクリート工学_5_5.pdf

コンクリート: 圧縮に強い,重量が重い,アルカリ性

鉄筋: 一般に表面に凹凸を持つ棒鋼(異形鉄筋),引っ張りに強い,靱性*1に富む

ダッシュは圧縮を意味する。


曲げ耐力: RC断面が破壊するときの曲げモーメント

計算仮定
(1)鉄筋とコンクリートに適切な応力-ひずみ曲線を用いる(弾性設計をこえる)
(2)平面保持の仮定
(3)コンクリートの引張応力は無視
(4)鉄筋のひずみはその位置のひずみと等しい
 k_1=0.85, β=0.8とする。

(a)コンクリート(モデル化)

 ε^{\prime}_{cu}: 終局ひずみ
= 0.85f^{\prime}_{cd}
 f^{\prime}_{cd}: コンクリート設計圧縮強度
=コンクリートの設計基準強度 f^{\prime}_{ck}/コンクリートの材料係数 γ_c

(b)鉄筋(モデル化)

 ε_y: 降伏ひずみ
 f_{yd}: 鉄筋の設計降伏強度
=降伏強度の特性値 f_{ye}/鉄筋の材料係数 γ_s

鉄筋比とつり合い鉄筋比の大小比較により断面破壊時の鉄筋の降伏の検討

鉄筋比 p=\frac{A_s}{bd}
つり合い鉄筋比 p_b=\frac{0.68f^{\prime}_{cd}}{f_{yd}(1+\frac{ε_y}{ε^{\prime}_u})}
ヤング係数の単位に注意する。
 P>P_bのとき曲げ圧縮破壊(鉄筋が降伏しない)
 P\leq P_bのとき曲げ引張破壊

力のつり合いから中立軸位置を求める

コンクリートの圧縮応力の合力
 C^{\prime}_c=0.68 f^{\prime}_{cd}bx

鉄筋の引張応力の合力(鉄筋が降伏していない場合)
 T=A_sσ_s=A_sE_sε_s=A_sE_s\frac{ε^{\prime}_u}{x}(d-x)
*2

鉄筋の引張応力の合力(鉄筋が降伏している場合)
 T=A_sσ_s=A_sf_{yd}

曲げ耐力・設計曲げ耐力を求める

曲げ耐力 M_u= C^{\prime}_cz=Tz
設計曲げ耐力 M_{ud}=\frac{M_u}{γ_b}
応力中心間距離  z=d-\frac{0.8x}{2}


岡村甫(2018) 『鉄筋コンクリート工学』, 市ヶ谷出版社

*1:物質の脆性破壊に対する抵抗の程度、あるいはき裂による強度低下に対する抵抗の程度のことで、端的には破壊に対する感受性や抵抗を意味する。材料の粘り強さとも言い換えられる。Wikipediaに書いてあるが、本書は用語の意味を最初の登場時に説明すべきだと思う。

*2:ひずみ分布の図から中学受験の算数で クロス型(砂時計型)と呼ばれる図形の比を使って求める。 x: d-x= ε^{\prime}_u: ε_s